「なぜ、あの人だけが大切にされるのか」という疑問を持ったことはありませんか。
実は、いつも信頼される人は優れた「質問力」を持っているのかもしれません。
今回ご紹介するのは『いつも信頼される人がやっている「たったひと言」の質問力』。
ビジネス書だと思って読み始めたものの、なんと親子間でも、更には自己理解にも使える万能スキルが手に入る一冊でした!
こんなあなたに読んで欲しい!
・自分や他人の「わかったつもり」で失敗してしまったことがある
・相手と深い信頼関係を築けるようになりたい
・人に好かれる質問のコツが知りたい
質問力についての本は沢山ありますが、本書で解説されている「絵訳」という方法は今までに見たことがなく、
シンプルなのに実践しやすくて幅広く応用が効き、あらゆる場面で役立てることができます!
今まで読んだ「質問」がテーマの本の中でも、トップクラスで実践しやすい内容です!
『いつも信頼される人がやっている「たったひと言」の質問力』って、どんな本?
基本情報
著者:坂本 聰
発刊:2024/11/2
出版社:ソシム
著者は、「理解力、質問力」を育てる独自の「絵訳」メソッドの構築者。
留学中に「理解し考え、言葉にすることの本質」に気付き、語学力も国語の成績も向上した経験があるそうです。
そのような経験をもとに「考学舎」を設立して小学生~高校生までの生徒を育てたり、
社会人向けセミナーを行ったりするなど、これまで約25年にわたり一万人もの指導をされてきたそうです。
本書ではそんな著者の「絵訳」メソッドをわかりやすく学ぶことができます。
本書の目的
今の自分のまま、信頼される人になる方法を解説する(P23)
「信頼される人」といっても完全無欠のスーパーマンを目指すのではありません。
「相手に信頼される質問」をすることで距離感を縮めることができると本書では述べています。
わかったつもりをなくす「絵訳」メソッド
みなさんは職場や家庭でつい「わかったつもり」になって誤解を生んでしまったり、トラブルになったことはないでしょうか。
本書の「絵訳」メソッドを学ぶことで、そんな「わかったつもり」を解決することができるかもしれません。
「わかったつもり」で信頼関係を失う
本書によれば、実はほとんどの人が「わかったつもり」になっています。
それゆえ、「わからないところ」に気付くことができずに「わかった」と勘違いしてスルーしてしまうのだとか。
「わからない」を明らかにした人は、行動や考え方に一貫性があるので、誰からも信頼される人になるのです(P34)
学校や職場で、先生や上司の言葉に「わかりました」と答える。
その場ではわかった気がするのに、あとから問題を解いたり業務をこなそうとすると…
あれ…何もわからない!
ということ、心当たりがないでしょうか。
「わからないところがあるなら聞け!」と思われるかもしれませんが、「わからないことがわからない」という状態のため、教えられたその場では質問することができない。
結果として「わかってないな」「ちゃんと聞いてなかったのかな」「任せられないな」と捉えられてしまい、
信頼関係が築けないことになってしまうのです。
なぜ、こんなことが起きるのか。
著者によると原因は私たちの勝手な想像にあります(P36)。
自分に引っかかったキーワードを抜き出して、「わかった!」気になってしまう。
そういった経験、ないでしょうか(私はあります…)。
よって、勝手な想像で補うことをやめ、「理解を確認するための質問をする」ことが必要なのです。
POINT
・わからない部分をはっきりさせて正しく理解する
・理解を確認するための質問をする
「わからない」を発見する「絵訳」メソッド
では、どうやって「わからない」を発見すれば良いのでしょうか。
そのために使えるのが、本書で紹介している「絵訳」です。
絵訳とは何かというと
頭の中で、聞いている内容をイメージ化する技術(P55)
見聞きしたことをしっかり絵としてイメージすることで不明な部分を見つけ出し、それを質問する。
そうすることで、自分の言葉でしっかり説明できるまでに深く理解するという技術です。
本書によると、絵訳による効果は以下の3つです。
- 聞いた事実を頭の中で絵としてイメージする(イメージ化)
- わからない部分を、きちんと説明できる(質問化)
- 質問することで、理解が深まる(理解)
見聞きしたことを絵にしようとすると、わからない/はっきりしない部分は頭の中でイメージにできずに
黒塗りだったり白塗りだったり、モヤモヤっとしてしまうと思います。
これが「わからないことがわかった」状態です。
この過程を経ることで鋭い質問をすることができ、信頼に繋がるのだそうです。
私達が今まで「わからない」に気付けなかったのは、そのやり方を知らなかったから。
「頭の中で、絵としてイメージできるかどうか」を確認すればよいだけなんです(P81)
詳しいやり方やトレーニング方法は本書で紹介されています
絵訳で解決できること
この絵訳がすごいのは、ビジネスの場面はもちろん、家庭でも自己理解でも役に立つというところ。
親子間で
たとえば親子間の会話での「わかったつもり」による誤解。
一度のすれ違いが、長年の信頼関係に影響してしまうことがあります。
「まず相手の話を最後まで、内容を頭の中で絵訳しながら聞き、イメージを完成させる」ことで、スムーズな会話になるのです(P158)
今日学校であったことや進路の話など。
親が想像で補ってしまったり、わからないままスルーしてしまっていることはないでしょうか。
気になったら立ち止まり、絵訳メソッドを使って確認するようにしましょう。
自己理解
驚いたのが、このスキルが自己理解にも役立つということ。
自分の幸せばかりは、自分自身でイメージできなければなりません。誰かにイメージしてもらったものを借用した場合、どこかで限界がやってきます(P174)
「幸せ」という言葉についてイメージしたとき、あなたにはどんな絵が浮かびますか。
それは具体的なものですか。
それをはっきり言葉にして人に説明することができますか。
…こうして自分に質問していくと、自分の「幸せ」の輪郭がはっきり見えてきます。
そして最後にもう一つ、印象に残った言葉を紹介します。
幸せはぜひ、自分自身で探してください。お子さんにもぜひ、自分自身で探させてあげてください。絵訳するのを手伝うくらいが、周りの人ができることです(P181)
息子の幸せの形を一緒に絵訳していくのが楽しみです!
おわりに
ここまでお読み頂けた方には、本書がビジネスだけでなく日常のあらゆる場面で役立つということをお伝えできたのではないでしょうか。
方法もシンプルであり納得度も高い内容。
ただし、スムーズにできるようになるには練習を積む必要があります。
本書を読めば絵訳についての理解が深まり、そのトレーニング方法も知ることができます。
私自身、今後のキャリアコンサルティングの場面で以下のように活かしたいと考えています。
・クライアントさんの過去や現在について「絵訳しながら質問する」
・クライアントさんの未来の幸せの「絵訳を手伝う」
身につければずっと使えるスキル。ぜひ一緒に練習してみましょう!
質問については以下の記事も書いています。