ニュースでよく耳にする「利上げ」「利下げ」という言葉の意味や、それによって生じる変化。
理解できていますか?
今回ご紹介する書籍は『金利で損しない方法、教えてください!』。
金利の仕組みと、金利上昇時代に私達がどう動くべきかをわかりやすく教えてくれる一冊です。
こんなあなたに読んで欲しい!
・金利についてわかりやすく教えて欲しい
・金利上昇時代の預金、投資、保険、住宅ローン、退職金をどうすれば良いか知りたい
・金利上昇時代の「やってはいけないこと」を学んでおきたい
記者が人気FP(ファイナンシャルプランナー)へ質問していく形式のため、
難しそうな金利の話でも読みやすく、理解しやすくなっています。
これまでのお金の常識が通用しない金利上昇時代に備えて、今すぐに金利の理解を深めておきませんか。

正直、金利について勉強するのを後回しにしていました…。
本書を読んで、金利上昇時代を乗りこなすのが楽しみになってきました!
『金利で損しない方法、教えてください』って、どんな本?
基本情報
著者:深野 康彦
発刊:2024/12/25
出版社:扶桑社
著者は、FP業界歴35年、有限会社ファイナンシャルリサーチ代表の深野さん。
メディアへの出演やセミナーを通じて「お金の知識」を発信されています。
本書の目的
金利のある時代の賢い歩き方を理解する
金利は預金、保険、投資など多方面に影響を及ぼします。
しかし私達は「超低金利時代に慣れすぎてその(金利の)力を忘れてしまっている」のだとか。
投資にチャレンジする人も増えてきた今だからこそ、本書でしっかり学んで「金利のある世界」のマインドセットへ切り替える必要があるのです。



私自身も資産運用に取り組んでいるため、本書はとても勉強になりました!
金利のある時代に損しない方法とは
本書では金利のある時代のお金のルール、金利の基礎、お金の増やし方/守り方を解説しています。
本記事では、その中の一部をご紹介します。
本当のマネーリテラシーを身に着けよう
近年の金利の上昇や物価の急激な上昇は、低金利時代・デフレ時代を生きてきた私達にとって大変ショッキングな出来事でした。



一体これから先、どうなってしまうのか不安…
しかし、著者によるとこれらは悪いことばかりではなく、
むしろ多くの人にとって「金融資産を増やしやすい状況」が訪れるそうです。
ただしこれは「金利が上がっているから稼げる!」ということではありません。
大事なのは「その時々の状況に合わせて、最適なお金の持ち方の”セオリー”を身につけることです」(P33)
著者によると、投資意識の高まりの中、マネーリテラシーという言葉を誤解する人が増えているとのこと(P34)。
私なりにマネーリテラシーの高い人を定義すると、「自分のお金を適材適所に置ける人」です(P36)
つい、「みんなが買ってるから」という安易な理由で投資をしてしまったりしていませんか?
今後は金利の変化によってセオリーも変化していくため、状況を注視し、その時々に応じて適切にお金を配置しなければならないのです。



私自身もお金の置き場所を考え直すことにしました!
そもそも、金利とは
金利について、人に説明できるほど理解出来ている方はここは飛ばしてください。
そもそも金利とは何なのか。
著者によると金利とは「お金を貸し借りするときの手数料」と考えるとわかりやすいとのこと。
しかし、誰が何のためにこの手数料を上げ下げするのでしょうか。
それは政府や日銀が、物価をコントロールするためです。
景気が良い時には消費や設備投資が盛んになる。
すると、お金を借りたい人も増えてきます。
しかし景気が良くなりすぎるとインフレになってくる。
その熱を利上げによって抑えるという訳です。
反対に景気が悪いときにはお金を借りやすい状況にするため、利下げを行います。
これが利上げ/利下げの基本的なセオリーで、景気によって上がったり下がったりを繰り返します。



「手数料」として理解すると、難しそうな金利の話がスッと入ってきました!
金利上昇時代のお金の増やし方
本書によると、金利上昇時代の投資には3つの基本戦略があるとのことです。
1. 金利の波を意識する
2.リスクを抑えてお金を増やす
3.お金を貸す側に立つ
「お金を貸し借りする度に手数料が発生する」ため、
金利上昇局面では「お金を貸す人」が得する人、「お金を借りる人」が損する人となることを覚えておきましょう。
また、これまで利下げ仕様だった資産ポートフォリオは、利上げ仕様に変更する必要があります。
リスク資産の割合を変更する等の工夫で「大きく減らさない」ように調整しましょう。
金利にはサイクルがあるため「今はどの局面なのか」と考え、適切にお金を配置する。
これが本書で言う「真のマネーリテラシー」なのです。



本書では金利のサイクルや、NISA、定期預金、債権の運用についても具体的に解説されています。
間違った情報に惑わされない
本書によると、いちばん大切な「お金の守り方」は「情報を正しく見ること」(P231)です。
お金に関する情報は「基本的な知識」を持っているからこそ、その情報の真贋を見抜ける(P231)
テレビの他、Youtube、X、インスタ等でも日々、お金に関する情報に触れる私達。
「利上げ!どうする住宅ローン!」というような煽り記事もつい気になって、不安にかられてしまいます。
しかし、そこでSNSを検索しまくっても、ますますどうすれば良いのかわからなくなるばかり…。
だから私達は、セオリーを知り、正しい金利情報を自分で得て、自分でその真偽を判断できるようになる必要があるのです。
自分の味方につければ、「金利の力」はとても大きな恩恵を人生にもたらしてくれます(P234)
おわりに
これまで金利について「難しそう…」と距離を置きがちだった私。
超低金利時代のセオリーに沿う形でNISAの投資も行っていましたが、
金利上昇時代にはそれも見直す必要があると知ることができました。
また、SNS等で日々情報を仕入れて「マネーリテラシーを高めている」という意識だった自分にも反省。
これからは自分の目で一次情報を判断できるように、セオリーをしっかり学んでおこうと思わされました。
本書を読むと投資や住宅ローンの他にも、保険や預金、退職金の見直し方を知ることができます。
金利で損をせず、チャンスを活かすために。
ぜひ本書を手にとってみてください。