突然ですが「あなた”らしさ”をひとことで言うと?」
…すぐに整いましたか?
今回ご紹介する書籍は『ひとことで整える』。
企業だけでなく個人でも使える「スゴいコピー化」のコツとステップを学べる一冊です。
こんなあなたに読んで欲しい!
・自分や会社の「らしさ」をひとことにまとめたい
・所属するチームやコミュニティに一体感を持たせたい
・いまいち機能していないミッション・ビジョン・バリューを見直したい
・やりたいことや自分の軸を周りに伝えられるようになりたい
自分らしさを見える化、言語化、「コピー化」し、伝えることで、幸せに生きることを提案している本書。
企業やチームの成果を上げるだけでなく、自分らしく生きるための羅針盤にもなるコピー化について学べます。
既存のブランディングやコピーライティングの本とは異なるアプローチが新鮮です!
『ひとことで整える』って、どんな本?
基本情報
著者:堤 藤成
発刊:2024/12/25
出版社:祥伝社
著者は多くの広告賞を受賞されている元電通のコピーライター。マレーシアでMBAも取得されています。
現在はオランダを拠点としてマーケティング支援に携わりながら、言葉で「幸せにかなえる」を紡ぐコミュニティ「つむぐ塾」を主宰。
近年は執筆活動にも力を注いでおり、本書が4冊目のご著書です。
私は4冊全て読んでいますが、本書は特にお気に入りの一冊となりました!
本書の目的
自分らしさを見える化し、言語化し、「コピー化」することで、自分の土壌を豊かに耕す
本書のターゲットはチームの「らしさ」を活かしたい企業の経営者やリーダーから、自分「らしさ」を使えるようになりたい個人まで幅広く設定されています。
独自のシンプルなメソッドで体系化されているため、誰でもすぐに「コピー化」に挑戦することができます。
就職、転職、起業、副業を考えている方にもオススメです!
『ひとことで整える』ことの意味
「キャッチコピー」というと、多くの方が企業の広告をイメージするのではないでしょうか。
「NO MUSIC NO LIFE(タワーレコード)」や、「ココロも満タンに(コスモ石油)」のように、
グッと引き付けるオシャレで聞き心地のよい「ひとこと」で、企業や商品のイメージを表現するもの、という印象ですよね。
本書ではこの「コピー化」を行い活かすことのメリット、作成のステップやコツ、チェックすべきポイントについて解説しています。
この記事では、その中から特に印象的だった部分を取り上げます。
「コピー化」の7つのメリット
本書によると、「コピー化」によって以下の7つのメリットが得られます。(P20-21)
- 相手の心を掴むインパクト
- コミュニケーションの効率化
- チームの一体感の醸成
- 自分に合う仕事への集中
- 売上アップ
- 自分の生きがいの実感
- 社会貢献
チームでコピーを導入した場合を例に、コピー化をした後の世界を見てみましょう。
まずあなたは、インパクトがあり「らしさ」が伝わるコピーを作成しました。
このコピーでメンバーの心を掴むことで、チームのモチベーションが上がります。
するとチームの心は一つになり、作業効率も上がります。
更にはコピーに惹かれた協力者が集まってきて、あなたはより自分に合う仕事に集中できるようになります。
徐々に成果が出てきて売上もアップし、生きがいを感じられる人生に。
やがてチームは社会に貢献できる存在に成長していく…という訳です。
パーパスとミッション・ビジョン・バリュー
究極の3つの問い
著者によると、自分らしく生きるためには「パーパス(存在意義)」をコピー化することが大切です。
そのパーパスの前提となるのが「ミッション・ビジョン・バリュー」。
最近は企業の会社概要や採用ページなどでも目にする機会が多くなった言葉です。
本書では、ゴーギャンの絵画『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』が紹介されています。
このタイトルにある究極の3つの問いが、ミッション・ビジョン・バリューと対応しているとのことです。
ミッション(使命)は過去。つまり、どこから来たのか。
バリュー(価値基準)は現在。つまり、何者か。
ビジョン(理想像)は未来。つまり、どこへ行くのか。
この3つを掛け算することで、自分らしいパーパスが紡がれていきます。
あなたは無理に差別化しようとしなくても、すでに唯一無二の個性を持っている存在である(P47)
自分らしいコピーは人生の羅針盤になる
ここで、キャリアコンサルティングの勉強をしていた時の話を思い出しました。
面談を行う際、まずクライアントの現在について伺います。
次に過去、最後に未来についてお話していきます。
そして最終的に、クライアントの意思決定をサポートするのがキャリアコンサルタントの役割です。
つまり、この3つを対話を通じて明らかにすることで自分らしさを知ることができ、
今後の人生においての意思決定がスムーズになるということなのです!
本書にも、自分らしさをコピー化することで
・存在意義が明確になる
・ワクワクする羅針盤になる
・意図的に幸せな時間を増やせる
・脳内に検索ワードを持つことができる
・言葉によって日々の判断を下すことができるようになる
と書かれていました(P50、72)
コピー化は、とことん自分に向き合う作業なのですね!
本書に掲載の「想いを引き出す質問例」に答えることで、自分自身と対話して「らしさ」を見つけることができます。
SUSHIチェックリスト
本書では、傾聴や内省、言語化などの過程を経てコピーを作成していく5つのステップ「FOCUS法」が解説されています。
しかし、ここで作成したコピーは果たして上手く機能するのか。
それを確認する方法として、SUSHI(すし)チェックリストが掲載されています。
S:Simple わかりやすいか
U:Useful 機能するか
S:Small ひとくちサイズか
H:Happiness おいしいか
I:Identity 個性が活きているか
馴染みのない言葉を使ったり、カッコ良さそうな言葉を使ったり、
あれもこれもと詰め込んだりしても、それが自分や周りの人に影響を及ぼさないなら羅針盤になりません。
これでは、せっかく「コピー化」した意味がありませんよね。
また、相手を笑顔にするハピネスな言葉、あなたらしい言葉であるかも確認しておきましょう。
コピー化で内面を耕そう
ここまで読んで頂いたあなたは、こう思っていませんか。
でも、私にはそんなに良いものなんて作れそうにない…
それでも、諦めないでください!
著者によると「カッコ悪い自己満足で誇大妄想なパーパスだったとしても、何も掲げないよりは何倍も良い」(P224)のです。
なぜなら、その言葉のお守り・羅針盤があることで、脳がそこにたどり着こうとしてアンテナが働くからです。
本書の「エピローグ」で、とても素敵な文章に出会いました。
「らしさのコピー化」を通じて、言葉を羅針盤に、自分をありたい姿に近づけようと一歩ずつでも動くこと。人間は、弱い。だからこそ、ほんの一握りの勇気を振り絞って、自分で自分に宣言する。(P237)
自分らしさや人生に意味があろうがなかろうが、自分が思い描いた理想の「あり方」に一歩でも近づこうとする姿。それは尊く、美しいと思いませんか?(P238)
「自分なんてない」「人生に意味なんてない」とよく聞きますが、この考え方はとても素敵だと感じました。
私自身もそんな姿勢で、人生を紡いでいきたいと思います。
私の言葉のお守りリストに追加しました!
おわりに
「あなたを寿司ネタに例えると?」
これは、本書に出てくる問いです。
正直、考えるのは面倒だったのですが(ごめんなさい)、考えてみました。
寿司ネタリストを検索し、「あれでもない、これでもない」と考えて辿り着いたのは…ブリ!!
青魚:自分もみんなも輝かせたいから
手に入りやすい:身近、派手で目立つタイプではないから
出世魚:形を変えながら成長してきたから
寒い時期においしくなる:苦労、逆境の「冬の時期」を乗り越えて、脂が乗ってきたから
著者の堤さんとお話する機会があり、これをお伝えしたところ
「学びを身近にしようと取り組んできたのーまるさんにピッタリ」とのこと!
(確かに!その視点が欠けていた!!)
このお題で考えてフィードバックを頂くだけでも、「自分らしさ」がかなり見える化できました。
これから段階を踏んで、国家資格キャリアコンサルタントとしての「のーまる」のコピー化に取り組みます!
本書には自分らしさを表す単語を書き出す「キーワード選定シート」や、実際にシートを用いながら対話しコピー化を行った事例なども掲載されています。
みなさんもぜひ一緒に、幸せな人生のためのコピー化に挑戦してみましょう!
著者の堤さんと、私も所属する書評チーム「ツナグ図書館」の共同開催スペースはこちら。
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